青天な人々第1回~青森中央学院大学 塩谷未知教授
今回から、米日記に新コーナーが始まります。
その名も「青天な人々」。
青天の霹靂や、あおもり米・青森県にゆかりのある様々な分野の方からお話をうかがいます。
第1回となる今回は、青森中央学院大学経営法学部 教授の塩谷未知(しおや みち)先生からお話をうかがいました。
塩谷教授は、あおもり米新品種名称選考委員会の委員長として、青天の霹靂の名称選考に関わってこられました。
~お米の名称選考に関わった経緯を教えてください
私の専門は経営学ですが、実は、作物栄養の視点から米を研究していたことがあります。その後マーケティング関係のコンサルティング業に転職して、今はその延長線上にいるという感じです。
県内の大学で教えていますし、米の研究をしていたことやマーケティングを専門にしているので、お米の名称選考委員に依頼されたのだと思っています。
~名称の選考でご苦労されたことは
お米の名称を公募したのは、青森県産米需要拡大推進本部(通称「米本部」)です。
ここに11,000件を超えるご応募がありましたので、その中からまず200件に絞り、そこからさらに20件に絞り、最終的には5件を選んで県に提出しました。
すべての応募作品に目を通しましたが、一つひとつの作品に応募された方の想いが詰まっていますから、それを踏まえて絞り込む作業が大変でした。様々な名前がありましたし、良い名前もたくさんありました。
こうして絞り込んだ5件の中から、県が「青天の霹靂」に決定したのです。
~はじめて青天の霹靂の名前を見聞きしたときはどう思われましたか
お米の名前としては異色ですから、正直いって、少しびっくりしました。ただ、説明を読んですぐに納得しました。
この名前に決まったと聞いたときは、「思い切ったなあ」と感じたと同時に、このお米にかける県や関係者の皆さんの想いや意気込みも感じました。
思い切ったことをすると反応があるでしょう。反応があると物語ができるのですよ。
まず名前で自己主張する。とても良い作戦だと思いました。
~青天の霹靂を召し上がった感想はいかがでしたか
ファン感謝祭でお土産にいただいたプレミアムパックを自宅で炊きましたが、とても上手に炊けて、感謝祭の会場で食べた試食とは違う驚きがありました。
実は、スーパードライというビールを初めて飲んだときのことを思い出したのです。スーパードライは、それまでのラガータイプとは違って食事に合うビールで、当時は「コクとキレ」がうたい文句でした。
青天の霹靂も「粘りとキレのバランス」が良いといっていますが、炊き立てを食べたときに「ああ、こういうことなのか」と納得しました(笑)。
いろいろなおかずに合うお米だと思います。
~今年から販売用の生産が始まりますが、農家さんへメッセージを
青天の霹靂は、おいしくて、毎日食べたくなるお米です。
たくさんの方に食べていただきたいです。
だから、ぜひ、農家の皆さんのお力を貸していただきたい。初めてのお米ですが、まず一歩、踏みだして挑戦してほしいと思います。
~最後に、先生がお好きな「ご飯に合うおかず」を教えてください
野菜や山菜の煮物、ふきと身欠きニシンを煮たものが好きですが、次に青天の霹靂を食べるときはステーキ丼で食べたいですね。
赤身でも霜降りでも、肉の旨みに負けないおいしさだろうと、予想しています。
~確かに青天の霹靂に合いそうですね♪
長時間にわたり、ありがとうございました
(写真は あおもり米ファン感謝祭で名称選考の経過を発表する塩谷教授)
笑顔でやさしい印象の塩谷教授ですが、学生には「リーダーシップよりも、巻き込まれ力を磨け。経験から学ぶものが多いのだから」が持論の、地域密着型、実践派です。
「地域をささえ、地域の経済をささえ、私たちの生活をささえているのが食産業であり、中小企業である。食べる人の顔を思い浮かべながらモノを作っている、そんな仕事や会社が私たちの暮らしにはとても重要だ。何とか元気にしたいと思って活動している」と、締めくくってくださいました。
「巻き込まれ力」は教授オリジナルの言葉ですが、初めて聞いたときから私のお気に入りの言葉です。これからも地域のために、若い人たちと一緒に歩んでいただければと思っています。
Hana