「青天な人々」 紀行作家 山内史子さん
今回は、青森市出身で、国内はもちろん、世界を飲み歩き食べ歩く「いっとちゃん」こと、紀行作家の山内史子さんからお話を伺いました。
山内さんは、昨年から「夢がかなう世界の旅」、「ニッポン『酒』の旅」と立て続けに出版されていて、旅と執筆が続く忙しい日々を過ごしていますが、 実は、青森の酒と食べ物をこよなく愛する青森人です。
「いっとちゃん」の愛称は、文字通り1週間に一斗呑んじゃった! という逸話から。
お酒が強いだけでなく、強靭な胃袋と繊細な味覚、そして聞いているだけで空腹になってくるような「魔法の言葉」の持ち主です。
~青天の霹靂は召し上がられましたか~
はい、いただいたプレミアムパックを自宅の炊飯器で炊きました。
青天の霹靂は、見た目の透明感が良いですね。粒も大きいし。
炊飯器の蓋を開けた瞬間、「あ、きれい」と見惚れました。
粒の大きさゆえでしょうか、しっかりしていて、ご飯を噛む快感があります。
それでいてモチモチしすぎていない。
さらりとしているのだけれど、後に甘みが立ってくる。
しかも強すぎない甘みだから、飲み込んだ後に余韻がふわっと立つのです。
一連の流れが美しいお米だと思いました。
~山内さんはつがるロマンもお好きだとうかがったのですが~
そうなんです。青森のホテルに泊まると、他所と比べて朝食のご飯のおかわりが多くなるんですよ。正直でしょう? (笑)
つがるロマンは、すっきりしていて、いくらでも食べられるんです。
強烈な印象はないけれど、さりげなく美味しくて、余韻がすうーっと消えていくところが好きです。日々のご飯にちょうど良い。
例えて言えば、すっぴんが美しい女性ですかね。
それに対して青天の霹靂は、エレガントというか、ちょっと「よそゆき」の、穏やかな色香を感じさせるお米で、夕食や特別な時に食べたいというイメージです。
~青天の霹靂はご馳走という感じでしょうか~
そうですね。ただ、超個性的というわけではないです。
お米自体の魅力をたたえているのに、押しが強すぎない、青森県民の奥ゆかしさと通じるものがあるのではないでしょうか。
青森県民は祭りのときの爆発力はすごいけれど、普段はシャイでしょう? それと似ています。
青天の霹靂はしっかり時間をかけて味わいたいお米だけど、控えめでもあるので、黙っていたらもったいないです。
「このお米は特別ですよ」と、ちゃんとひけらかしてお客様にお出しした方が良いと思いますよ(笑)。
~山内さんが考える青天の霹靂に合うおかずは何でしょうか~
このお米を満喫するなら、やっぱり「筋子」「たらこ」、極上のヒラメやマグロの刺身ですね。
この場合、醤油をつけすぎないことが重要ですよ(笑)。
食材のうまさと青森の醤油のさらりとした旨み、青天の霹靂の存在感は絶対に合うと思います。
2杯目は、卵かけご飯で楽しみたいですね。
卵のコクに負けずにご飯のうまさを主張してくると思います。
そして、汁物や煮物。青森の名物だと「いちご煮」とか「けの汁」がいいですね。
シンプルなお茶漬けにも合いそうですし、納豆と合わせても、大豆のうまみを感じさせつつお互いを引き立てる存在になりそうです。
青天の霹靂は見た目からドラマが始まるご馳走感のあるお米なので、青森の海の幸、山の幸と一緒にしっかり堪能したいですが・・・
この調子だと2合じゃ足りない、もっと食べたいですね(笑)。
(写真は超高速で乾杯する山内さん)
~ありがとうございました~
国内、海外を飲み歩いている山内さんは、常々、『青森の酒の美味しさは、青森の自然が育んだ清らかな水の恵みである』と話されています。
今回、東京のご自宅で青天の霹靂を炊いていただきましたが、「青森のお水で炊いたら、きっともっと美味しくなるのに!」とおっしゃってくださいました。
青森の水が育む今年の米作りも、塩水選の作業がいよいよスタートしました。
農家の皆さん、どうぞ美味しいお米を作ってくださいね。私たち消費者も、出来秋を楽しみに待っています。 (Hana)