「青天な人々」 料理人 浪内 通さん
8回目となる「青天な人々」は、青森市内の日本料理店「百代」の料理長でもあり、青森清庖会(せいほうかい)の会長を務めている浪内通(なみうちとおる)さんです。
青森清庖会は、何と昭和元年(!!)に発足し、現在90年の歴史を誇る和食料理人の団体です。技術向上、後継者育成、会員同士の交流の場で、勉強会やイベントを開催したり、学校での食育活動なども行っています。
今年3月、青森清庖会は、「青天の霹靂」の試食会を実施しました。料理人浪内さんも、このとき初めて「青天の霹靂」とご対面。いったいどんなお米だったのか尋ねてみました。
~料理人になったきっかけを教えてください~
このお店(百代)は、開店から70年経っています。店の経営者だった父親は、身内に料理人がいないことに危機感を覚え、私を料理人にするべく、何と高校の先生まで味方につけて説得したのです。
結局、私は高卒後すぐに上京し、二つの日本料理店で修行しました。そして、32歳で帰青して、料理人としてお店を継ぎました。
~「青天の霹靂」はどうでしたか~
特Aを取得した「青天の霹靂」は、料理人の間ですぐに話題となり、「ぜひ味を確かめたい。」として開催したのが、3月の試食会です。
初対面した「青天の霹靂」は、とにかく驚きの連続でした。まず一目見て、その粒の大きさにビックリです。そして、今まで見たことのない透明感と艶に驚きました。
お米を研いだときもビックリです。とても研ぎやすくて糠も少なく、3回でも洗いすぎたかな、と思ったくらいです。水を切った「青天の霹靂」を見て、「これは普通のお米と違う。輝きが違う。」と、感覚的に"ビビッ"ときました。
炊いてみてからもビックリです。艶がまったく違っていました。香りも素晴らしく、通常わずかに感じる糠臭さもまったくありませんでした。
そして最後に、食べてみてビックリです。炊きたてが美味しかったのはもちろんですが、冷めてからの美味しさが素晴らしかったです。本当に美味しいお米というのは、冷めても美味しいものなんです。
~「青天の霹靂」に合うおすすめのおかずは何ですか~
試食会のときは、塩、梅干し、フキの葉の辛煮、たくわんなど、どれもシンプルなものをおかずとして試食しました。どれもが「青天の霹靂」に合ってとても美味しく、本当に「おかずを選ばないお米」だと思いました。
私がいいなぁと思うのは、フキの葉の辛煮と、お刺身の切れ端などを使った魚のふりかけ(魚粉)です。これらは、「始末料理」と呼ばれるもので、お店では、お客様に出せない部分を使って調理したものです。
工夫を凝らし、食材を使い切るのが本当の料理人です。「始末料理」こそ、料理人としての基礎、根底となるものです。そして、この料理に合う「青天の霹靂」だからこそ、真におかずを選ばないお米なのだと思います。
~どういった形で「青天の霹靂」を提供したいですか~
とてもシンプルに、炊きたての「青天の霹靂」を味わってもらいたいです。炊き込みごはんなどの"変わりごはん"にするのはもったいないと思います。ごはん自体が美味しく、さらに、おかずと一緒に食べるとおかずの味を引き立ててくれるので、二度美味しさを味わうことができます。
~「青天の霹靂」に期待することは何ですか~
手間暇かけて作っているお米なので、じっくりと時間をかけて価値を広め、その価値をわかっていただける方に食べてほしいです。
私は、青森にやってきた方々に「どのお店で料理を食べても美味しい。」と評価されることが、地域の活性化につながると思っています。一店舗だけが美味しくてもダメです。
「青天の霹靂」も、青森のたくさんのお店で美味しく食べることができるようになればいいと思います。青森清庖会の会員は、みなさん「青天の霹靂」を使いたがっていますよ。
話を聞いているうちに、「ぜひこの方の料理を食べてみたい!」と感じるようになりました。それは、浪内さんの料理に対する気持ち、姿勢が素晴らしかったからです。と同時に、「食材を大切にする」という点だけでも、私自身、反省しなければなぁと思いました。
浪内さんの言葉です。
「日本料理は、一番最後に、炊きたての美味しいごはんを味わっていただくことが本当の姿だと思っています。「青天の霹靂」は、これに相応しいお米だと思います。」
このように浪内さんが大きな期待を寄せる「青天の霹靂」、ますます秋のデビューが楽しみですね。
「日本料理 百代」 住所:青森市本町2-3-11/電話:017-776-5820